TBSを退社しました

TBSテレビを退職しました

本日が最終出社日です。

ですが、有給休日の消化と振替休日の消化があるのでしばらくは籍だけはTBSに置く形になります。
なので、正確には6月中旬頃に法的な退社となります。

収録のセットをぶっ壊したとか何か問題を起こしたわけではありません笑

完全に自分の意志による依願退職ってやつです。

TBSに何か大きな不満があったわけでもありません。
福利厚生、給与、社会的信用など
あらゆる待遇に関して日本の企業では間違いなくトップクラスで
僕のような人間には恐れ多い待遇でした。

そんな中で入社以来
「自分の企画したテレビ番組を創る」という
長年の夢を追いかけてきました。

なんの実績もない入社2年目の若手の企画が通るわけがない、そんな通説に抗い
幾度も企画書を出し続けました。

その結果、半年前に自分の番組企画が通過しました。
そして、先月の3月26日に
『借金、チャラにします。』
という自分が企画した番組を無事に放送する事が出来ました。

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紙一枚に書いた自分の企画案が
スタジオセットになり
日本一の漫才師の霜降り明星粗品さん、大好きなラッパーのACEさんと仕事をし
ロケや再現ドラマを撮り
編集所に籠もってエフェクトやテロップを入れて
やっとの思いで作った番組が
全国に放送されました。

全体的にキツイスケジュールでしたが
放送されている瞬間に飲んでいた韓国居酒屋のマッコリの味を僕は一生忘れない。
もちろん、終わってみればもっと面白くできたなあなんて思ったりもしましたが
チームとしては限られた時間の中で最善を尽くしました。

この2年間自分の夢をずっと追いかけてきて、
夢が叶った瞬間、きつかった分、達成感もひとしおでした。

そんな恵まれた環境の中で
実は半年ほど前から自身の将来について考える機会が多くなりました。
テレビ番組を創るという夢とは別に

もう一つの夢があったからです。

半年ほど前から僕は悩んでいました。
でも、TBSを辞めないで両立する方法もあるのではないか。
TBSを辞めたらもう一度戻るのは無理だぞ…(面接が7回あるんです…)
そんな事を考えながら自問自答を繰り返していました。

そんな中、今回の決断をするきっかけになったのは
1月15日の出来事でした。
ちょうど自分の企画のキャスティングを決めるという重要な期間でした。
そんな中に一本の電話があったのです。

姉からの電話でした。
泣きながら
「お父さんが死んじゃったよ…」

その瞬間、何も考えられなくなりました、というよりは実感が無いというか
信じられなかったし、信じたくなかった。
僕の父は突然亡くなったのです。
数ヶ月前に電話したときには元気な様子だったのに…

人生で初めて自分の身近な人の死。
この出来事がきっかけで迷っていた自分の心にちゃんと向き合おうと思ったのです。
限られた人生という時間の中で
自分が後悔しない生き方。
耳が腐るほどよく耳にするけど、ちゃんと意識してなかった事に向き合おうと思ったんです。

ですが、自分の番組が忙しすぎて番組制作期間は目の前の仕事に全力投球しました。
そして自分の夢が叶い、
少し休憩しながら自分という人間について、自分の人生について向き合いました。

その結果、
僕の中でTBSを辞めるという決断を下しました。

正直TBSを辞める事は相当悩みました。
まず、TBSに入ったら辞める人なんてそうそういません。
身近に退職した先輩も居なかったんです。
だから自分一人で「辞める」という決断に対してその選択は正しいのか何度も何度も考えました。

自分の人生で初めて「選ぶ」事だったから。

高校受験、大学受験、就職活動、そのどれもが選ぶ行為のように思いますが
その中には「何かを捨てる」という行為は伴わず「どれを得る」という行為だったんです。
でも転職という「何かを捨てる」事を伴う決断 は僕の人生で初めてでした。

そういった意味で、人生で初めて「何かを捨てる」という行為を前に僕は不安で胸が張り裂けそうでした。

このままディレクターになって
30歳になってプロデューサーとかになって
40歳で管理職になってくんだろうな。
で、60歳くらいで定年来て…
その頃にはもうたんまりお金が溜まってゆっくり老後を過ごそうか。

そう考えた瞬間に急に胸が締め付けられたんです。
これでいいのかな、と。

もしもう僕がすでに婚約者や子どもが居るのならその人達を幸せにする為に僕は最善を尽くします。
その結果TBSを辞めるという選択をしなかった可能性はあります。
でも、今僕には彼女もいませんし失うものが何もない。

そんな中、自分の心の声に従ってもう一つの自分の夢を追いかけたいと思ったのです。
リスクかもしれないけど、後悔はしないと確信したから。

新しい夢と今後の進路に関して

僕はこの度、エンジニアとして転職します。

まさか自分がエンジニアになりたいだなんて、大学生の時の自分が聞いたらびっくりするだろうな。笑

正確に言うと
自分の手でサービスを作れる人間になりたかったんです。

そしていつの日か

世界中で使われるwebサービスを創りたい。

僕は本気でそう思っています。

そして、将来的に自分がやりたいことに関して、確実にエンジニアの能力が必要な事。

また、エンジニアは勉強に終わりがないので飽きることが無く

自分が成長し続けられる職種である事

新しいサービスやプロダクトを作るために必要な技術をいち早く学べる事

新しい価値を生み出す事が好きなんです。
だからテレビ番組を制作したい自分も
新しいサービスを創りたい自分も
実は本質的には変わっていないんです。

あらゆる働き方や考え方、そして自分のもう一つの夢に最短距離で行くという要素を加味して
僕はエンジニアという職業を選びました。

テレビという既存のプラットフォームの中で価値を生み出すよりも
プラットフォーム自体を創りたい。
そう思いました。

そして、令和という新時代を迎えるのに20代という身体的にも精神的にもある程度成熟した状態であるというチャンスを前に
挑戦をしたい。そう思いました。

というわけで
突然ですが来週から学生になります。

え?ですよね。笑

来週からTECH::EXPERTというエンジニアの学校に通います。
1日12時間くらいの勉強を3ヶ月続ける超スパルタなクレイジースクールなんですが
自分の好きな事だったらいくらやっても楽しいはず(好きだから辛いこともあるだろうけど!)
3ヶ月後に自分のポートフォリオを元に転職活動をする予定です。

不安に関して

「自分の決断に関して一切の不安はありません。」

とか言い切れたら良いですが、そんなカッコいい人間じゃないです。
でも、怖いけど決断した自分を褒めたいです。

でも、こんな生き方してたら婚期はめっちゃ遅くなるだろうなあと思っています。笑
だって普通の女の子だったら、安定を求めるじゃないですか。
自分の子どもの事を考えたら当たり前だよね。

いきなりTBSを辞めるとか言って自分の夢に挑戦しはじめる26歳。
いやー、最高にイタいなあ。
でも、そんなイタイやつの夢を応援してくれる糟糠の妻になってくれる人が現れたら僕はその人を死ぬ気で幸せにしたいなあ、と決めています。

あとは僕が辞めるのは今これを読んでいる君のせいでもあります。

僕の挑戦を応援してくれて、困った時に手を差し伸べてくれる人がいるから僕は心置きなく挑戦できるんです。

だから怖いけど、覚悟はできている。

TBSを辞めることに関してはリスクもあるし
確実に失うモノが多すぎるし、正直めっちゃ怖い
でもねそれ以上に
めっちゃワクワクしています。

そして自分で選んだこの道を正解にできるように全身全霊でコツコツ頑張ります。
というわけで社会人第二章の幕開けという事で、今後とも西江をよろしくお願いします。

 
 

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ABOUTこの記事をかいた人

自由なサラリーマンになる為のライフハック情報を発信中。 受験ブログが受験ブログランキング1位になり著書『引きニートコミュ障、偏差値28から早稲田に行く』を出版。 LINEスタンプ『お寿司ですが何か?』『意識低い系キリン』なども発売中。

2 件のコメント

  • こんにちは!はじめまして!
    コメント失礼します。
    私も今25歳で、もう一つ
    やりたいことがあるまま
    別の仕事をしています。
    ですが、けんちゃんさんのブログを読み
    やりたいことがあるなら勇気を出して
    やった方がいいんだなと思ったし
    たった一度の人生なので楽しみたいです!
    このブログ書くの
    大変だったと思いますが、
    こう言う形で残してくださって
    嬉しいです!ありがとうございます!

    • はるさんへ
      コメントありがとうございます。
      僕自身すごく悩んだ末の決断です。
      父の件もそうですが、自分の中で死んだように生きるのって死んでいるのと変わらないので
      勇気を振り出してみようとおもったのです。
      はるさんも悩んでいるのなら進んでみてはいかがでしょうか。
      僕は今新しいことに挑戦している自分がとても好きになれました。
      また何かあったらコメントいただければと思います。

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